鹿児島県薩摩川内市の川内原発1、2号機の20年の運転延長が、1日に開かれた国の原子力規制委員会の定例会合で認可された。これにより、川内原発は1号機が2024年に、2号機が2025年に40年の運転期限を迎える前に、最大60年まで運転を続けることが可能となる。国内の原発で運転延長が認められたのは、静岡県の浜岡原発1、2号機と福島県の東通原発1号機に続いて5、6基目となる。
川内原発は2015年8月に新規制基準を満たしたとして規制委から安全審査合格証を受け取り、同年10月から再稼働した。しかし、再稼働後も高浜地裁や福岡高裁などの司法判断で停止命令を受けるなど、運転には紆余曲折があった。現在は両号機ともに運転中である。
九州電力は2022年10月に規制委に20年の運転延長の申請を行い、その後の審査で安全上の問題がないと判断された。規制委は1日の会合で、川内原発の運転延長について「技術的に妥当であり、安全性が確保されている」として認可することを決めた。
川内原発の運転延長は、原子力発電所の存続やエネルギー政策に影響を与えると見られる。九州電力は川内原発を「九州電力管内の電力需給バランスを維持する上で重要な役割を果たす」と位置づけており、再生可能エネルギーの導入や火力発電所の老朽化対策などにも関わってくる。一方で、原発事故への不安や反対運動も根強く、地元住民や自治体との調整も必要となるだろう。