静岡県伊豆の国市三福の路上で3日午前に発生した秋祭りの山車の横転事故で、巻き込まれて意識不明の重体となっていた70代の男性が死亡したことが、関係者への取材で分かった。伊豆中央署や駿東伊豆消防本部によると、亡くなった男性のほか、小学生の男児を含む18人がけがを負って病院に搬送された。



事故は午前10時半ごろ、三福地区の秋祭りで山車を引いていた約20人のうちの一人が、山車の重さに耐えきれずに倒れたことが原因だという。山車はそのまま制御を失って道路の左側に横転し、近くにいた見物客や参加者を巻き込んだ。

横転した山車は約5メートルの高さがあり、約1トンの重さがあったという。現場は狭い道路で、山車の回収には重機が必要だった。消防や警察は、山車の安全性や運行方法などについて調べている。

事故に遭った70代の男性は、山車の近くで見物していたという。男性は頭を強く打って意識不明の重体となり、病院に搬送されたが、その後死亡が確認された。男性は地元の住民で、秋祭りには毎年参加していたという。



けがをした18人のうち、重傷者はいないという。けがをした人の中には、山車を引いていた小学生の男児も含まれている。男児は足を骨折したが、命に別条はないという。

秋祭りは、三福地区の氏神である三福神社の例大祭で、毎年10月の第一日曜日に行われている。山車は、地元の青年団が作ったもので、神社の境内を出発して地区内を練り歩く伝統行事だった。今年は新型コロナウイルスの影響で、山車の運行は短縮されていたという。



事故を知った地元の住民は、ショックを受けている。一人の女性は、「山車は地域の誇りで、毎年楽しみにしていた。こんな悲しいことになるとは思わなかった」と涙ながらに語った。別の男性は、「山車の安全対策を見直す必要がある。今後は事故が起きないように気をつけなければならない」と話した。


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