金融庁は14日、中古車販売大手ビッグモーター(BM)に対し、保険金の不正請求問題を受けて、保険代理店登録を30日付で取り消す方針を固めたと発表した。これは保険代理店への処分としては最も重いもので、同社は保険業務を行えなくなる。



金融庁は、同社が事故車を修理する際に故意に傷をつけ、保険金を過大に請求していたことが明らかになったことを受けて、9月から保険業法に基づく立ち入り検査を実施していた。その結果、同社には会社法上求められる経営管理体制が構築されておらず、適正な保険募集を確保するための体制整備も行われていないことが判明したという。

鈴木俊一金融相はこの日の閣議後会見で、処分の方針を明らかにした。同日、関東財務局から同社に処分の方針を伝え、21日に同社の意見を聞く機会を設けると述べた。鈴木氏は処分の理由について「保険会社からの再建に向けた支援も期待できないものと判断した」と説明した。同社は損保との代理店委託契約がすべて解除される見込みであることから、保険業務の継続は困難とみられる。



同社は、不正請求問題が発覚した後、経営陣の刷新や内部統制の強化などの再建策を発表していたが、金融庁の処分により、事業の存続が危ぶまれる。同社は、2022年3月期には約1000億円の売上高を計画していたが、不正請求問題の影響で、売上高は約600億円に減少する見込みである。同社は、今後の対応について検討するとしている。



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