済生会前橋病院(前橋市上新田町)は、災害時の救援やスポーツイベントの救急対応などに活躍する救急車の買い替えに向けて、クラウドファンディング(CF)を始めた。12月26日までに1500万円の目標を達成するために、市民や企業などからの寄付を募っている。
同病院は現在、前橋市が廃車にした2004年式の救急車を使っているが、山道などでパワー不足に悩まされている。シートもガムテープで補修しているという。新しい救急車は、最新の医療機器や通信機能を備え、より迅速かつ安全な救急搬送ができると期待される。
同病院は、新潟県中越地震(04年)や東日本大震災(11年)などで災害派遣医療チーム(DMAT)として活動した実績がある。また、県内のスポーツイベントにも医師や看護師などを派遣している。しかし、救急車には行政の助成が得られにくく、自力で資金を集める必要があるという。
寄付は、救急車の購入費だけでなく、救急処置室の改修費にも充てられる。救急処置室は、現在2台しか受け入れられないが、3台に増やす予定だ。救急車の受け入れ件数は、20年に1893件、21年に2102件、22年に2395件と年々増加しており、救急医療の需要が高まっていることを示している。
同病院の細内康男院長は、「24時間断らない医療を実現したい」と話した。市民や企業などからの寄付に感謝し、救急医療の充実に努めると述べた。
CFの詳細や寄付方法は、同病院のホームページやSNSで確認できる。