ロックバンド「BUCK-TICK」のボーカルである櫻井敦司さんが、24日午前6時30分、東京都内の病院で脳幹出血のため死去した。57歳だった。
櫻井さんは2018年12月に消化管出血の診断を受け、全国ツアーを4公演延期していた。その後、治療に専念していたが、23日に容体が急変し、緊急入院した。しかし、翌日には息を引き取った。
葬儀は遺族の意向により、近親者で家族葬として執り行った。後日、ファンに向けたしのぶ会を開く予定だ。所属事務所によると、同バンドが予定していた今後のコンサートは全て中止し、チケットの払い戻しを行うという。
脳幹出血とは
脳幹出血とは、脳の中心部にある脳幹と呼ばれる部分で血管が破れて出血することである。脳幹は、中脳、橋(きょう)、延髄に分かれており、形や大きさは親指に似ている。脳幹は、脊髄から脳など神経伝導路や運動、知覚、自律神経、脳神経の核などが含まれる重要な部分である。
脳幹出血が起きると、意識障害や頭痛、まひなどがみられる。特に橋の部分で起こることが多く、呼吸や心拍など生命維持に関わる機能が障害されることもある。脳幹出血は非常に重篤な状態であり、死亡率や後遺症の発生率が高い。
脳出血の多くは高血圧が原因とされるが、脳動脈奇形、血管腫、脳腫瘍なども原因となる場合がある。予防するためには、血圧やコレステロールなどの管理や喫煙の禁止などが必要である。
櫻井敦司さんのプロフィール
櫻井敦司さんは1966年3月7日、群馬県・藤岡市出身。高校時代から音楽活動を始め、1987年に同じ群馬県出身の今井寿さん(ギター)、星野英彦さん(ギター)、樋口豊さん(ベース)、ヤガミ・トールさん(ドラム)と共にロックバンド「BUCK-TICK」を結成した。
1989年にリリースしたアルバム「TABOO」がチャート1位を獲得し、デビューから2年で日本武道館公演、東京ドーム公演を実現した。その後も90年代にリリースされたアルバム「悪の華」「殺シノ調ベ」「狂った太陽」などは売り上げ30万枚を超えるヒット作となった。
櫻井さんは、ボーカルとしてだけでなく、作詞や作曲も手がけ、独自の世界観やメッセージ性の強い楽曲を生み出した。代表曲には、「悪の華」「JUST ONE MORE KISS」「ロマンス」「ドレス」「月世界」などがある。
また、櫻井さんは、俳優や小説家としても活躍した。映画「月光の囁き」や舞台「ハムレット」などに出演し、芥川賞作家・遠野遥さんは息子である。