北海道福島町の大千軒岳で、消防隊員の男性3人が登山中にヒグマに襲われた事件で、11月2日午後、クマ1頭の死がいと男性1人の遺体が見つかりました。警察は身元の確認を急ぐとともに、死因などを詳しく調べる方針です。
クマに襲われた経緯
10月31日、大千軒岳の登山道で、消防隊員の40代男性と30代男性、20代男性の3人が休憩中にクマに襲われました。40代男性はクマに襲われた仲間を救おうと、刃渡り5センチのナイフでクマの目元と喉元を狙って応戦しましたが、クマはナイフが刺さったまま逃げていきました。40代男性と30代男性はケガをしましたが、自力で下山し、病院に搬送されました。20代男性は行方不明となりました。
クマと遺体の発見
11月2日午後、警察や消防などの捜索隊が登山道付近でクマ1頭の死がいを発見しました。クマは体長約2メートル、体重約200キロのオスで、ナイフが喉元に刺さっていました。写真で見る|ヒグマの死がいや男性の遺体が見つかった現場の周辺と、発見までの時系列
また、このクマの死がいから数十メートル離れた場所で、男性1人の遺体も見つかりました。遺体はかなり損傷が激しく、クマに襲われた可能性があるということです。
行方不明だった別の男性
この登山道では、別の20代男性が10月29日から登山に行くと言って出かけ、行方不明となっていて、捜索が続けられていました。この男性は消防隊員ではありません。警察はこの男性と発見された遺体が同一人物かどうかを調べています。
クマ被害の多発
北海道では今年、クマ被害が多発しています。10月26日には札幌市内で女性1人がクマに襲われて死亡しました。また10月28日には旭川市内で女性1人がクマに襲われて重傷を負いました。専門家は、クマが食べ物を探して人里に出ることや、気温の変化などが原因だと指摘しています。
登山者への注意喚起
警察や消防は、大千軒岳周辺ではまだクマが出没する可能性があるとして、登山者に注意を呼びかけています。また、登山する際には必ず連絡先や予定ルートなどを周囲に伝えることや、鈴や笛などで音を出してクマを寄せ付けないことなどを勧めています。