東京・池袋で2019年に起きた飯塚幸三受刑者(92)による暴走事故で、松永真菜さん(当時31)と莉子ちゃん(当時3)の遺族に対する損害賠償請求訴訟の判決が確定しました。東京地裁は飯塚受刑者と保険会社におよそ1億4000万円の支払いを命じていましたが、双方ともに控訴期限の今月10日までに控訴しなかったことが分かりました。賠償金は保険会社が負担することになります。
飯塚受刑者は、2019年4月19日、東京・池袋の交差点でアクセルとブレーキを踏み間違えて暴走し、歩道に乗り上げて松永さんと莉子ちゃんをはねて死亡させるなど、計10人に重軽傷を負わせました。飯塚受刑者は刑事裁判で過失運転致死傷罪に問われ、2021年9月に禁錮5年の実刑判決が確定しました。これで、事故をめぐる一連の裁判は全て終結することになります。
一方で、松永拓也さん(35)は、民事裁判の判決を受けて、警視庁に対して暴力団員を名乗る匿名の男から「歳のいった飯塚に金を払わせるのはおかしい。近いうち松永を殺す」という脅迫電話があったことを明らかにしました。松永さんは「誤った知識や憶測で犯罪被害者を苦しめるのはやめて欲しい」とコメントしています。また、判決の確定については「殺害予告などで外出できず辛い思いをしているが、争いが終わったことは安堵している」と話しました。松永さんは、妻と娘の命を無駄にしないために、講演などの再発防止活動をより積極的に続けていくという意向を示しました。