歌舞伎俳優の 市川團十郎白猿 が11日、都内で開催された『當る辰歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎』の取材会に出席した。その中で子どもの成長についてコメントする場面がみられた。

 長男・新之助の初舞台、長女・ぼたんとの親子共演などに触れ、團十郎は子どもたちの成長への驚きを語った。長女・ぼたんについては「『歌舞伎の世界で生きていけないのかもしれない』という意識はずっとある」とし、「昨年12月の『團十郎娘』で、女性が主演を務めるのは60年ぶり。そうやって女の子でも活躍できるという希望を持ちながら、実績を積み重ねてきた。同時に、現実を見る力も備わってきたと思う」とコメントした。また、ぼたんが日本語吹き替え版で、超進化型AIの少女・アルフィーの吹き替えを担当することで話題となっている映画「 ザ・クリエイター/創造者 」についてのコメントがみられる場面もあった。團十郎は「字幕版の映画を見に行って、『こんなお役を彼女がやらせていただくのか』と楽しみになりました」と父の顔を見せたうえで「周りへの気の配り方や人間性など、私の勝てるところはもうない」と笑顔を見せた。

 一方「勸玄くん(新之助)は特化した成長の仕方をしている」として「自分一人で『外郎売』をやったことは彼にとって大きな成長だったと思う」と歌舞伎座公演を回顧。その後昨年史上最年少で新之助が『外郎売』を演じたことを回顧し、「見事な成長を遂げていた。周りの先輩方もそうおっしゃってくださっているので、親のひいき目ではないと思う」とコメント。さらに新之助について「1つのものを磨き上げる作業には突出したものがある」と分析。「そういった部分をサポートするのが我々の役目だと思っています」と“師”として真剣なまなざしを向けた。

 二人の子供について父親として、また歌舞伎界の師として二つの顔を見せた。

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